同じ轍

慣用句の1つに「轍を踏む」と言うものがある。
轍とは てつ・わだちとも読み、車輪の跡のことを指す。
轍を踏むとは、過去の失敗や過ちを再び繰り返してしまうことを言い、マイナスな意味合いをしている。
よくドラマか何かで「おなじてつはふまない」と聞いたこともあるだろう。

 

さて。
某SNSでは「ファクトチェック」というフレーズをよく目にするようになった。
なんでも、ある投稿に対しファクトチェックと投げかけることで、人工知能が人工知能なりに考えて物を言ってくれるそうだ。

大学の教授…(今はとても偉くなってしまわれた)が以前言っていたが「人工知能(AI)はバカ」なのだ。
AIは出来たての状態だと空っぽの箱で、その箱を満たしていくことで個性のような物が発現する。
個性を獲得したからといっても、平気で間違えるしちんぷんかんぷんなことも言う。
完璧に近づけようとすれば、それ相応に調教する必要が出てくる。

人工知能なりに考えてと表現したが、実際は考えてはいない。
インターネットないしSNS上に転がる情報を集めて、それっぽい形にしてくれているだけだ。
ネットの情報である以上、間違っている可能性だって十分にある。

 

確かに「何言ってんだコイツ」みたいな投稿が散見しているのも事実
それを、要はこういう事と短く分かりやすくまとめてくれるのは有難い。
しかし、それはあくまでも「そういう考え方」の一例に過ぎず、AIだからといって答えを提示しているわけではない。

人工知能が相手だとしても、ネットリテラシーはまだ活きる。