道具も工具も適材適所

昼下がり、某所の屋上に上り、対象物の手入れを行うという作業があった。

 

対象物(何かは伏せます)を取り付けたのは、今年の2月のことだっただろうか。
ソレに不調がある度、様子を見に行っては手入れをする。
強風の日、雪が降る日、カンカン照りの日、また強風の日。
私がそこに赴くと、決まって天候がへそを曲げる。
とは言っても、屋上なだけあって基本的に風は強い。

いくら対象物の雨風をしのぐ為に養生をしているとはいえ、次様子を見に行くときには
その養生はベロンベロンに剥がれ落ちている。

 

良く用いているのはマスカーテープと呼ばれる、マスキングテープ(養生テープ)と養生シートが一体になったテープだ。
対象物をぐるりと囲んで養生シートを被せていく。
そのままでは、風で飛ばされてしまうので養生テープも用いる。
雨水が入ったりしないように、風で飛ばされてしまわないように、わりかし丁寧に養生をしているつもりだ。
そんな丁寧な養生も、対象物の様子を見に行く度に剥がれ落ち無くなっている。
何かこう、精神的に来るものがある。

 

ただ、考えてもみれば当たり前なのだ。
最近は防災グッズとして脚光を浴びた養生テープだが、このテープは物を固定するためのテープではない。
養生テープは保護を目的としたテープなので、保護をする必要がなくなれば最後には剥がす。
剥がすということは、剥がしやすいのだ。
いくら強力な粘着力を謳う養生テープがあったといえど、結局は剥がせるテープだ。
そんなテープが自然の雨風を凌げるわけがなかったのだ。

保護用のテープなので勿論、梱包にも向いていない。
養生テープで梱包された荷物は何かの拍子にフタが開いてしまったりもする。
梱包の際に養生テープが活躍する場といえば、荷物のラベリングだろうか?

 

弘法筆を選ばずとはいうが
道具は適材適所、うまく使っていかないと心が折れる。