北極圏の観測所と暗算から未来を見つめる

北極圏のスバールバル諸島というところに、局地観測のお手伝いに行ってきました(第3弾)

この2つの記事を見て思い出したことが一つあります。

ニューズウィーク日本版
”中学以降も電卓を使わせない日本の遅れた数学教育”
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/12/post-13545.php

Kintaのブログ
”ニューズウィーク日本語版の記事から考える教育での電卓利用について”
https://www.magicaltoybox.org/kinta/2019/12/23/21112/

スバールバル諸島は観測のお手伝いで滞在していたので、周囲には研究者や大学の先生など、専門の方だらけでした。しかも、アラスカ(アメリカ)、カナダ、イギリス、ノルウェー、デンマーク、日本と国籍も様々…。日本人は一緒に出国した関係者たち、いわゆる身内だけです^^;

そんな中、現地で出会った日本人が一人いました。同じロケットプロジェクト参加のため、今回ノルウェー本土からスバールバル諸島に来たという方(以下、T氏)でしたが、担当はレーダー基地のほう。そのレーダ基地で起きたというT氏の話が、印象に残っているのです。

日本人がT氏一人しかいないレーダー基地で、とある計算が必要な場面に遭遇。現地スタッフが電卓を使って計算したのは…

『100×0.1』

それを見たT氏は、一瞬でその場で「10」とこたえた。すると…

周囲のスタッフたちは「すごい!」「日本人は数学が得意だよね!」という反応が返ってきたらしい^^;

その話をT氏から聞いた日本人メンバー(私も含む)からは
「電卓いらんやつ」
「暗算でできるやないかーいっ!」
「数学じゃなくて算数だし」
「そろばん習っててよかった」というツッコミが次々と…

いや、まさか『100×0.1』を暗算で解いて、研究者に「すごい!」と言われるなんて…世界から見た日本って自分の想像をはるかに超えていると思ったのでした。ちなみに…電卓を使って計算したのは、ノルウェー出身の方だと思われる。

この一件で”簡単な計算なら暗算ができるに越したことはない”とか”暗算ができなくても電卓が使えればいい”という、上っ面だけの話しで終わるのではなく”簡単な計算が暗算ではできなくても、熱中できるものや興味があれば大学の先生にも研究者にもなれる”という将来性や可能性のほうに、目を向けていたいと思うのでした。


MerryChristmas!